観光案内・モデルコースを作るプロンプト集|旅館スタッフがすぐ使える7例
この記事の要点
旅館・ホテルのスタッフが観光案内やモデルコースをAIで作成するためのプロンプト集。季節・滞在時間・同行者構成別に7パターンを掲載。コピーしてすぐ使える。
観光案内のモデルコース作成は、旅館スタッフが毎日こなす定型業務でありながら、同行者構成や季節・滞在時間によって組み合わせが無数にある。熟練スタッフなら10分でこなせる仕事も、経験の浅いスタッフには30分かかることがある。AIにプロンプトを投げれば、その下書きが2分以内に出てくる。
このページでは、旅館・ホテルの現場で実際に使えるプロンプトを7パターン紹介する。コピーして自館の情報を埋めるだけで使い始められる。
なぜ観光案内こそAIに向いているのか
観光案内の作成には2つの工程がある。「どのスポットを選ぶか」と「どう組み合わせてコースにするか」だ。前者は土地勘と知識が必要で人間の仕事だが、後者は時間・距離・客層に合わせた順序組みという構造的な作業で、AIが得意とする領域そのものだ。
スタッフがやるべきことは、地域の最新情報(臨時休業・イベント・渋滞情報)を加味して最終確認することに絞られる。下書きをゼロから書く必要はない。
プロンプトを使う前の3つの準備
AIへの指示が曖昧だと出力が汎用的になりすぎる。以下の3点を手元に用意してからプロンプトを実行すると、質が格段に上がる。
- 自館から主要観光地までの実距離・所要時間(Googleマップで確認)
- 季節ごとに外せないスポット・イベント名(祭り・紅葉・花見・花火など)
- 館内でよく聞かれる「おすすめは?」の定番回答リスト(口頭でスタッフが言っていることをメモするだけでOK)
この3点を持っていれば、プロンプトに差し込むだけで自館固有のコースが出力される。
プロンプト集:7パターン
パターン1 | 基本のモデルコース(1泊2日・カップル)
最もよく使う汎用型。カップルの1泊2日を想定している。
あなたは旅館のコンシェルジュです。以下の条件でモデルコースを作成してください。
【宿の場所】〇〇温泉(△△県□□市)
【滞在日程】1泊2日
【客層】20〜30代カップル
【移動手段】レンタカーあり
【チェックイン】15:00、チェックアウト】10:00
条件:
- 食事は夕食・朝食ともに宿泊施設内で提供
- 観光スポットは車で30分圏内のものを優先
- ドライブや自然体験を重視するカップルを想定
- 各スポットで何が楽しめるかを1〜2文で説明する
- 移動時間の目安を各行程に記載する
出力形式:
1日目
10:00 ○○(移動15分)→ ○○でできること
…
2日目
…
パターン2 | 子連れファミリー向けコース(小学生あり)
子どもの体力・トイレ間隔・飽きやすさを考慮した行程が必要になる。
あなたは旅館のコンシェルジュです。以下の条件でモデルコースを作成してください。
【宿の場所】〇〇温泉(△△県□□市)
【滞在日程】1泊2日
【客層】小学生2人を連れた30〜40代ファミリー(子ども8歳・10歳)
【移動手段】マイカー
【チェックイン】14:00、【チェックアウト】11:00
条件:
- 子どもが楽しめる体験・遊び要素を必ず含める
- 1か所あたりの滞在時間は1〜1.5時間に抑える
- トイレ休憩を行程に自然に組み込む
- 混雑しにくい時間帯・スポットを優先する
- 雨天でも対応できる屋内施設を1か所含める
出力形式:
1日目
13:00 出発 → (移動時間)→ △△(概要1文)
…
パターン3 | シニア向けゆったりコース(高齢夫婦)
バリアフリー・歩行距離・昼食場所を重視した設計が求められる。
あなたは旅館のコンシェルジュです。以下の条件でモデルコースを提案してください。
【宿の場所】〇〇温泉(△△県□□市)
【滞在日程】2泊3日
【客層】70代夫婦(足腰はしっかりしているが長距離歩行は避けたい)
【移動手段】タクシー・観光バス利用想定(マイカーなし)
条件:
- 1日の歩行距離は合計2km以内
- 段差が少なく整備されたスポットを優先
- 昼食に入りやすい食事処を行程に組み込む
- 名所の歴史・由来を簡単に説明する短いメモを各スポットに付ける
- ゆったりとした時間の使い方を意識する(急ぎ足の詰め込みにしない)
出力形式:
1日目午後(チェックイン後)
2日目
3日目午前(チェックアウトまで)
パターン4 | 季節特化コース(紅葉・桜・雪など)
季節イベントを目当てに来る客層は、旬のスポットを正確に知りたがっている。
以下の条件で、紅葉シーズンに特化したモデルコースを作成してください。
【宿の場所】〇〇温泉(△△県□□市)
【対象シーズン】10月下旬〜11月上旬(紅葉ピーク)
【滞在日程】1泊2日
【客層】カップルまたは友人グループ(20〜40代)
【移動手段】レンタカー
条件:
- 紅葉が特に美しいスポットを3〜4か所選ぶ
- 見頃時間帯(朝の光・夕日など)のアドバイスを添える
- 混雑を避ける時間帯の提案を含める
- 紅葉狩り以外に立ち寄れる地元のグルメ・工芸体験を1か所組み込む
※出力後、実際の営業日程・アクセスは最新情報で確認すること
パターン5 | 半日コース(チェックアウト後の時間活用)
チェックアウト後の2〜3時間をどう使うかを聞いてくる客は多い。
チェックアウト後の半日(11:00〜15:00)に楽しめる観光コースを提案してください。
【宿の場所】〇〇温泉(△△県□□市)
【出発地点】宿の玄関
【最終目的地】〇〇駅(または〇〇IC)
【移動手段】マイカー
条件:
- 3〜4時間で無理なく回れるルートにする
- 昼食を含める(地元の食材を使った食事処)
- 帰路途中に立ち寄りやすいスポットを優先
- 「あとで後悔しない」定番スポットを1か所は必ず入れる
出力形式:
11:00 宿出発 →(移動時間)→ ○○ →(移動時間)→ ○○(昼食) →(移動時間)→ 目的地
パターン6 | 外国人ゲスト向け英語版コース
インバウンド対応で、英語での観光案内を求められる場面に使う。
Please create a sightseeing itinerary in English for the following conditions.
[Hotel/Ryokan location]: [Name of hot spring, Prefecture, Japan]
[Stay]: 1 night, 2 days
[Guest profile]: Couple from overseas (30s–40s), first visit to Japan
[Transportation]: Rental car
Requirements:
- Include 4–5 sightseeing spots within 30 minutes by car
- Add a brief description (1–2 sentences) for each spot explaining why it's worth visiting
- Include estimated travel time between each stop
- Add one local dining recommendation for lunch or dinner
- Use simple, clear English suitable for non-native speakers
Format:
Day 1 (Afternoon)
15:00 Arrive at ryokan
...
Day 2 (Morning)
...
Note: Please remind the guest to verify opening hours and access information locally before visiting.
パターン7 | テーマ特化コース(歴史・食・アウトドアなど)
「食べ歩きがしたい」「歴史が好き」「アウトドアを楽しみたい」という具体的な希望がある客への対応。
以下の条件で、テーマ特化型のモデルコースを作成してください。
【宿の場所】〇〇温泉(△△県□□市)
【テーマ】(「歴史・文化」「地元グルメ・食べ歩き」「アウトドア・自然体験」のいずれかを選択)
【滞在日程】1泊2日
【客層】(記入する)
【移動手段】(記入する)
条件:
- テーマに沿ったスポット・体験を4〜5か所選ぶ
- 各スポットでテーマとの関連(なぜここなのか)を1文で説明する
- 「このコースでしか得られない体験」を1か所強調して紹介する
- スポット間の移動時間の目安を記載する
出力後に必ずやるべき確認作業
AIが出したコースをそのまま客に渡すのは、誤情報提供のリスクがある。以下を15分以内でチェックする。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 営業時間・定休日 | 各スポットの公式サイト or 電話 |
| 駐車場の台数・料金 | Googleマップ or 施設HPの「アクセス」ページ |
| イベント開催期間 | 地元観光協会のWebサイト |
| 所要時間の現実性 | 実際に走ったことのあるスタッフに確認 |
| 食事処の予約要否 | ランチ込みコースは特に混雑日を確認 |
このチェックをテンプレート化しておくと、新人スタッフでもAI出力の品質担保ができるようになる。観光案内の運用フローをデジタルで整備する方法はフロント申し送りのデジタル化で詳しく解説している。
プロンプトをカスタマイズする3つのポイント
1. 「宿の場所」は具体的な地名まで書く
「〇〇県の温泉旅館」よりも「〇〇温泉(△△市□□地区、▲▲山麓)」と書くと、AIが使えるスポット候補の範囲が絞られ、実際の地理に即した出力になる。
2. 客層の解像度を上げる
「家族」ではなく「8歳と10歳の子どもを連れた40代夫婦で、子どもはアウトドアより体験型施設を好む」まで書くと、AIの推論精度が上がる。フロントでのヒアリング内容をそのままコピーするだけでよい。
3. 不要な制約を削る
プロンプトに条件を詰め込みすぎると出力が窮屈になる。「移動手段」「滞在時間」「客の好み」の3つだけ入れれば、最低限使えるコースが出てくる。条件は追加より削除で調整する。
繰り返し使うなら「自館専用プロンプト」を作る
毎回ゼロから書くのは非効率だ。自館の所在地・アクセス情報・定番観光スポット上位10か所・よく来る客層のパターンをまとめた「自館ベース情報」を1つのテキストファイルに保存しておき、プロンプトの冒頭にコピーする運用にすると、1案内を2分以内で仕上げられる。
宿泊プランの紹介文作成でも同様の「自館ベース情報」活用が効果的で、詳しくは宿泊プラン紹介文が書けるプロンプト集にまとめている。
また、観光案内と並んでスタッフの負荷が高い業務がクレーム対応の文章作成だ。下書き作成のプロンプト例はクレーム返信の下書きを作るプロンプト集で確認できる。
まとめ
観光案内・モデルコースの作成は、AIが最も効果を発揮しやすい定型業務のひとつだ。プロンプトに「場所・滞在時間・客層・移動手段」の4点を入れるだけで、実用的な下書きが2分以内に出てくる。
仕上げの確認作業(営業時間・定休日・アクセス)はスタッフが担当する。この役割分担を固定することで、経験の浅いスタッフでも熟練者と同水準の観光案内を提供できるようになる。
本記事のプロンプトは、ChatGPT(GPT-4o)とClaude 3系で動作を確認している。他のAIでも基本的に使用できるが、出力品質は異なる場合があるため、最初は出力結果をスタッフが読み合わせて精度を確認してほしい。
よくある質問
観光案内をAIで作るとき、どんな情報を入力すればいいですか?
宿の所在地・滞在時間・同行者構成(家族連れ・カップル・シニアなど)・季節・移動手段・体力レベルを入力すると、実用的なモデルコースが出力されます。
ChatGPTで作った観光案内は、そのままお客様に渡せますか?
営業時間・定休日・アクセスは必ずスタッフが実情報で確認・修正してから渡してください。AIの出力は下書きです。
多言語の観光案内もAIで作れますか?
英語・中国語・韓国語への翻訳もプロンプトで指示できます。翻訳後もネイティブスタッフまたは翻訳ツールで確認することを推奨します。
プロンプトはどのAIで使えますか?
本記事のプロンプトはChatGPT(GPT-4o)、Claude 3系で動作確認しています。他のAIでも基本的に使用できますが、出力品質は異なります。