クレームを社内共有用に整理するプロンプト集【旅館・ホテル向け】
この記事の要点
旅館・ホテルで受けたクレームを社内共有しやすい形式に整理するプロンプトを7例掲載。再発防止策・担当部署・優先度まで自動で整形し、引き継ぎや朝礼資料の作成時間を大幅に短縮できる。
クレームを受けた後、最も時間がかかるのは「内容をまとめて社内に伝える作業」だ。口頭で共有するだけでは情報が抜け落ち、書面にしようとすると文章化に30分以上かかることもある。このプロンプト集を使えば、メモ書き程度の情報から社内共有用の整理文を数分で作成できる。
なぜクレームの社内共有にAIが使えるのか
クレームの社内共有には「何が起きたか」「どう対応したか」「次にどうするか」という3つの軸がある。この構造は毎回同じため、AIに整形を任せやすい。
担当者が異なれば表現も変わり、情報の濃さもばらつく。AIに整形させることで、誰が書いても同じ構成・同じ粒度の共有文になる。引き継ぎや朝礼資料への転記も楽になる。
クレーム対応後の返信文作成についてはクレーム返信の下書きを作るプロンプト集を参照してほしい。社内共有と対外返信を分けてAIに任せると、業務の切り分けがさらに明確になる。
基本プロンプト:メモから社内共有文を整形する
最も基本的な使い方は、対応直後に書いたメモをそのまま貼り付けて整形させることだ。
以下のメモをもとに、旅館スタッフ向けの社内共有文を作成してください。
【フォーマット】
■ 発生日時:
■ 発生場所:
■ 内容概要(3行以内):
■ 当日の対応:
■ 再発防止策(案):
■ 対応担当部署:
■ 優先度:高・中・低のいずれか
【元のメモ】
(ここにメモを貼る)
※宿泊者の氏名・部屋番号は「お客様A」「〇〇号室」のように仮名で処理してください。
このプロンプトは「フォーマット」を明示しているのがポイントだ。AIに構造を指定しないと毎回異なる形式で出力されるため、テンプレートを固定しておくと社内のフォーマット統一に直結する。
プロンプト2:複数クレームを一覧表にまとめる
週次や月次でクレームを振り返る際、複数の事案を表形式にまとめたい場面がある。
以下の複数のクレームメモを、社内共有用の一覧表にまとめてください。
【出力形式】
Markdown表で、列は「No.」「発生日」「内容概要」「対応部署」「ステータス(対応済み・対応中・未対応)」「再発防止策」の順で作成してください。
【クレームメモ一覧】
(複数のメモをここに貼る)
週1回この作業をルーティン化するだけで、月次の振り返り会議の準備資料がほぼ自動で揃う。旅館のアンケートを集計・要約する方法については宿泊者アンケートを集計・要約するプロンプトでも詳しく解説している。
プロンプト3:口頭報告の書き起こしから整形する
現場スタッフが電話や口頭で報告した内容を書き起こしたテキストを元に整形するパターンだ。話し言葉のまま入力しても整形される。
以下は現場スタッフからの口頭報告を書き起こしたものです。これを旅館の社内共有用クレームレポートとして整形してください。
【要件】
- 報告者目線の主語(「私が」「〜しました」)は削除し、事実だけを記録してください
- 感情的な表現は中立的な言い回しに変換してください
- 再発防止策が含まれていない場合は「(要検討)」と記載してください
【書き起こしテキスト】
(書き起こしをここに貼る)
「感情的な表現を中立化する」という指示が重要だ。報告者が混乱しているときのメモは主観が入りやすく、そのまま共有すると誤解を生む。AIが中立化してくれることで、読む側も事実に集中できる。
プロンプト4:優先度・担当部署を自動で判定させる
クレームの内容から、対応の優先度と主担当部署を自動で割り当てさせるプロンプトだ。
以下のクレーム内容を読み、下記の判断基準に従って優先度と担当部署を決定してください。
【優先度の基準】
- 高:衛生・安全・健康に関わる、または宿泊中のお客様が現在困っている
- 中:当日中に何らかの対応が必要
- 低:次回以降の改善で対応可能
【担当部署の選択肢】
フロント / 客室 / 料理・厨房 / 施設・設備 / 総務 / 複数部署連携
【クレーム内容】
(クレーム内容をここに貼る)
優先度と担当部署の判定結果と、その理由を1〜2行で説明してください。
判断の根拠を出力させることで、ベテランがいなくても一定の基準でトリアージできる。フロント業務全体のデジタル化については旅館フロント業務の引き継ぎをデジタル化する方法も合わせて参照してほしい。
プロンプト5:朝礼・申し送り用の短縮版を作る
長いクレームレポートをそのまま朝礼で読み上げるのは現実的ではない。申し送り用に100字前後に要約させるプロンプトだ。
以下のクレームレポートを、朝礼での口頭共有に使える100字以内の申し送り文にまとめてください。
【条件】
- 事実のみ。感情・推測は含めない
- 再発防止策が決まっている場合は必ず含める
- 読み上げやすい体言止めは避け、文末は「〜した」「〜する」で統一する
【レポート本文】
(レポートをここに貼る)
このプロンプトは朝礼メモをそのまま渡してもよい。朝礼・申し送り全体のAI活用については朝礼・申し送りを要約するプロンプト集に詳しい事例を載せている。
プロンプト6:過去のクレームから再発リスクを分析する
複数のクレームレポートを蓄積した後、共通の課題を抽出させるプロンプトだ。
以下は過去3ヶ月分のクレームレポートです。内容を分析し、次の3点を出力してください。
1. 最も多いクレームのカテゴリ(上位3つ)
2. 同じ原因が繰り返されているケース
3. 早急に仕組みで解決すべき課題(対症療法では防げないもの)
【レポート一覧】
(複数のレポートをここに貼る)
分析結果は箇条書きで、それぞれ2〜3行の説明を付けてください。
このプロンプトは月次の経営会議や改善MTGの準備に使える。クレームの個別対応から「仕組みの改善」にシフトするきっかけとして活用してほしい。
プロンプト7:OTAレビューのクレーム内容を社内レポートに変換する
じゃらんや楽天トラベルの低評価レビューを社内共有用のクレームレポートとして変換するパターンだ。
以下はOTAに投稿された低評価レビューです。これを社内共有用のクレームレポートとして整形してください。
【要件】
- レビューに書かれた事実のみを抽出し、推測や感情は除外する
- 「批判のトーン」は除き、「何が・いつ・どこで起きたか」の事実に変換する
- 再発防止策は「要検討」として空欄のまま残す(後で担当者が記入)
- フォーマットは「発生場所 / 内容概要 / 影響 / 再発防止策(要検討)」の4行構成
【レビュー本文】
(レビューをここに貼る)
OTAレビューはクレームの宝庫だが、感情的な表現が多く、そのまま共有すると読む側が萎縮しやすい。AIで事実だけに圧縮することで、建設的な改善議論に持ち込みやすくなる。レビュー返信の運用については旅館のレビュー返信オペレーションも参照してほしい。
プロンプトを使うときの注意点
個人情報の取り扱い:宿泊者の氏名・部屋番号・連絡先はプロンプトに入力しない。「お客様A」「〇〇号室」などに置き換えてから使う。ChatGPTなどのクラウドサービスを使う場合は、自館の情報セキュリティポリシーを事前に確認すること。
AIの出力はあくまで下書き:再発防止策の内容が現場の実態と合わない場合は必ず修正する。AIは事実の整形は得意だが、業務の文脈まで理解しているわけではない。
フォーマットは自館に合わせてカスタマイズ:プロンプト内の「フォーマット」部分を自館の様式に書き換えることで、既存の報告書体系にそのまま組み込める。
まとめ:クレーム対応後の「文章化」を仕組みにする
クレーム対応は「受けたとき」だけでなく「その後の共有と改善」まで含めて一連の業務だ。共有の質が低いと、同じクレームが繰り返し発生する。
今回紹介した7つのプロンプトは、メモ書きから始めて社内共有・申し送り・分析レポートまでをカバーしている。一度プロンプトをコピーして自館用にカスタマイズしておけば、担当者が変わっても同じ品質で共有できる仕組みになる。
宿泊プランの文章化を効率化したい場合は宿泊プラン紹介文が書けるプロンプト集も活用してほしい。
よくある質問
クレームを社内共有する際に何を書けばよいですか?
発生日時・場所・内容の概要・当日の対応・再発防止策・担当部署の5点が最低限必要です。AIプロンプトを使えばこれらを口頭メモから自動で整形できます。
プロンプトに入力するクレームの元データはどんな形式でもよいですか?
箇条書き・メモ書き・会話の書き起こしなど、どの形式でも機能します。ただし発生日時・内容・対応の3点が含まれていると整形精度が上がります。
クレーム共有にChatGPTを使うとき、個人情報の取り扱いはどうすればよいですか?
宿泊者の氏名・部屋番号・連絡先はプロンプトに入力しないか、仮名に置き換えてから使用してください。自館のデータ取り扱いポリシーも事前に確認が必要です。
生成されたクレーム共有文は編集なしで使えますか?
AIの出力はあくまで下書きです。事実と照合し、再発防止策が実態に合っているか必ず担当者が確認してから共有してください。